7月23日(火)・24日(水)の2日間、東京ビックサイト青海展示棟で「住まい ×介護 ×医療展 2019 in 東京」が開催されました。第一線で活躍されている方のセミナーや業界トップの企業さんの取組に触れ、完全に浦島太郎状態になっていることに気づかされました。その一部をご紹介します。
座談会『100歳時代の介護を考える~「未来の年表」をテーマに~』
3名のパネラー(人口減少対策総合研究所の河合雅司理事長、湖山医療福祉グループの小山泰成代表、元衆議院議員の山崎摩耶さん)が破綻に向かっている日本の制度や施策をどう考え乗り切っていくのか、各々の考えを述べられました。
河合理事長
自助・公助・共助の三助の内、重要課題である「共助」について、政治だけでなく世論も考えていないこと自体が危機的。100歳時代になり人口構造も変わりコミュニティがすでに崩壊している中で、止まらない人口減と加速する経済低迷と所得格差を食い止めるためには、ヨーロッパのように‟戦略的に縮むこと(大量生産でなく競争に勝てるブランドづくり)”で生き残るしかないと語られていました。
山崎摩耶さん
今の年金制度は1961年:人生70年時代に出来上がったものであり、100歳時代は想定されていなかった。この時代の変化を若い世代から年配者まで敏感に感じとり、考えを変換させていく必要がある。キーワードは‟Less is More”。多くを望まず少しでもよいという考え方をもって、老後の三重要課題である健康・経済・家族を考えていくことがこれから求められてくる。
小山泰成さん
湖山医療福祉グループは1983年(昭和58年)銀座の病院から始まり、17都道府県9,000人の職員を抱える全国規模のグループまで成長。利益だけを追求するのではなく地域に根差した活動をしてきた。100歳時代を切り抜けるために、9,000人越えの職員とその家族が安心して暮らせるよう、75歳まで働ける環境や70歳まで働くと入居や入院時個室料無料化など様々な施策を考えていきたい。
3名のパネラーの皆さんの素晴らしいプレゼンテーション、さらにコーディネーターの高齢者新聞社 網谷敏数社長の「低負担・中福祉である日本と高負担・高福祉の北欧、今後の日本はどちらに進むべきか」など鋭いテーマに対するお話もあり、あっという間に時間が経ってしまった座談会でした!
展示会:チャレンジする介護マーケット
今回の展示会でひときわ目立っていたのが‟食”をテーマにした「栄養サポートフェア」のブースでした。日清医療食品さんやマルハニチロさんやクリニコさんなど20社が出展されており、病院や介護施設・在宅に提供している食事のサンプル展示や試食がありました。
美味しい
何と言っても数年前より格段にレベルアップしている加工技術と商品バリエーションにより、どれも驚くほど美味しく見た目も美しい!!
時代にマッチ
食材コスト増や厨房の採用難により厨房を維持すること自体が困難になっている中、コスト削減や多様化する顧客ニーズに応えるために質向上につながっている点、コストや調理時間の削減によりケアの時間・内容の見直しにもつながっている点は良い兆しと感じました。
徹底したお客様主義
「食べられない方に食事の楽しみをもう一度」と、どの企業さんも研究に研究を重ねた結果、味と見た目はもちろん、数えきれないくらいの形態が生まれていました。一方で多忙なケアスタッフのためにアプリを使って動画で調理方法や商品確認ができたり、ポップな献立表をダウンロードしてそのまま使える工夫などきめ細かい配慮がなされていのに驚きました。
住まい ×介護 ×医療展 2019 in 東京
https://www.event-koureisha.com/tokyo201907/